野球など連続試合出場は、スタメンに起用され続けることだけでも大変だから、その数値自体に大きな意味がある。先発9人のなかに入らなければならないのだから、成績が悪ければ出してもらえない。しかし、政権の座にあること有余年。在任期間の長さが実績と必ずしも比例しないのは、歴史が証明している。
しかし、こんなことを言う人が某フジテレビに出ていた。「良くなかったら、7年8か月もやっていませんよ」。この局の論説委員だそうだ。古今東西、長期間政治的指導者のポストにあり、独裁者と呼ばれた人がたくさんいた。この論説委員は歴史の時間に居眠りばかりしていたらしい。
まあ、この局とその関連メディアは、政治思想的対立が意味をなさない時代に右左と拘る人の集まりだから驚かないけれど、ヨイショやちょうちんの類はほどほどにしておかないと、政権の顔色ばかり気にして疲弊してしまう。
記録を作りたいために延命を図ったとしたら、ずいぶんと消化試合をしたことになる。連続出場記録を伸ばしたいために、最終回に守備にだけ付く選手がいた。こんなことをしたら、記録が泣く。目の肥えた人は、ちゃんとそれを知っている。知らない人は、その人が引退するときに大騒ぎする。
もちろん、大記録の中の数試合、それがあったからとて、大した話ではないかもしれない。しかし、その良し悪しは、本人が一番よく理解している。記録のために守りについた事実は、2000試合連続であっても、そのようなことが刻まれているのだ。
まあ、野球は「たかが」「されど」で済ますことができる。しかし、政権トップの座にそういう汚点を残すことは許されない。